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アシュワガンダとは

2024年04月10日 2024年04月10日

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「アシュワガンダってよく聞くけどどのような成分なの?」
「アシュワガンダの効果について詳しく知りたい」

アシュワガンダは、SNSでも度々話題になるハーブの一種です。インドの伝統医学であるアーユルヴェーダでも注目されており、古くから健康のために使われてきました。

では、具体的にアシュワガンダにはどのような効果があるのでしょうか。今回はアシュワガンダとはどのようなものなのか、どういった効果があるのかについて詳しく解説します。

アシュワガンダとは?

アシュワガンダとは、インドに自生するハーブのことです。ナス科に属しており、緑や黄色の花を咲かせます。アシュワガンダは、サンスクリット語で「馬」という意味です。摂取すると馬のような力を得られると言われていることから、このように呼ばれるようになりました。

アシュワガンダは、滋養強壮効果があることで有名です。滋養強壮といえば、高麗人参を思い浮かべる方もいるでしょう。実は、アシュワガンダの滋養強壮効果は高麗人参に劣らないと言われています。そのため、アシュワガンダは別名「インド人参」とも呼ばれているのです。このほか、インド朝鮮人参やインディアンジンセン、ウィンターチェリーなどの呼び名もあります。

アルカロイド類やステロイダルラクタン類、サポニン類やミネラルなどを豊富に含むことが特徴です。これらの成分を含む根や葉が健康のために用いられています。

アシュワガンダは優れたハーブとして知られていますが、いくつか注意も必要です。まず、胃潰瘍の方はアシュワガンダの使用を避けましょう。アシュワガンダは胃腸を刺激する働きがあるため、症状が悪化する恐れがあります。

また、手術の予定がある方は予定日の2週間前までには使用を一時中断してください。アシュワガンダには中枢神経系を鈍化させる働きがある可能性があり、手術で使う麻酔の効果が強く出てしまう可能性があります。

このほか、妊娠中や授乳中の方も注意してください。妊娠中の方が使用することに関して、安全性が確立されていません。授乳中の使用についてはデータが不十分なため、使用は避けましょう。[i]

このように注意点はいくつかありますが、アシュワガンダには次に紹介するようにさまざまな効果が期待されています。

アシュワガンダの効果・効能は?

アシュワガンダには、次のような効果や効能があると言われています。

ストレスをやわらげる

不定愁訴を訴える患者81名を対象にアシュワガンダを一日300mg摂取してもらったところ、メンタルヘルスや集中力、活力などで有意な差が見られました。このことから、アシュワガンダには抗不安作用があることが示唆されています。

また、別の研究ではストレスによって起こる過酸化物質の増加が抑制されたことも確認されました。このことから、アシュワガンダにはストレスをやわらげる効果もあると期待されています。[1][2]

体力を増強する

アシュワガンダは、古くから滋養強壮に効果があるハーブとして使われてきました。体力を増強する働きがあると言われており、アダプトゲンとしても活用されています。アダプトゲンとは、身体や心のストレスへの適応能力を高め、バランスを回復させる働きをもつ天然物質などのことです。[i][3]

免疫機能を高める

アシュワガンダは、免疫機能を整える働きがあるとも言われています。免疫抑制剤であるシクロホスファミド、アザチオプリン、プレドニゾロンをそれぞれ使って骨髄抑制の状態にしたマウスにアシュワガンダを使用したところ、すべての免疫抑制剤を使ったマウスで骨髄抑制を防止しました。このことから、アシュワガンダには免疫機能を高める働きがあると考えられます。[4][5]

血糖値を下げる

アシュワガンダは、古くから血糖値のコントロールにも使用されてきました。糖尿病患者の血糖値を下げたとのデータがあります。なお、血糖値を下げる働きがあることから、糖尿病の治療薬と併用すると、必要以上に血糖値が下がる可能性があるので注意が必要です。[i][6]

精子の質を改善する

男性不妊に効果があるという試験結果があります。アシュワガンダを男性に使用することで、精子の質や運動能力を改善させる可能性があるのです。ただし、アシュワガンダを使用することで実際に生殖能力が上昇するかどうかについては、まだ明らかになっていません。[i]

関節炎を改善する

アシュワガンダをほかの成分と一緒に摂取することで、関節炎を改善できる可能性があります。現時点で、アシュワガンダのみで関節炎を改善できるかはまだわかっていません。また、変形性関節症にも効果があるかどうかに関してはさらなる研究が必要です。[i]

アシュワガンダを含む食材はどんなのがあるの?

アシュワガンダは成分の名前ではなく、ハーブの名前です。よって、アシュワガンダという成分が含まれる食材が存在するわけではありません。アシュワガンダを摂取したい場合は、アシュワガンダそのものを摂取するかサプリメントを活用するのが一般的でしょう。

ただし、日本国内でアシュワガンダの全草は、「もっぱら医薬品として使用される成分本質」に区分されているため、食品に使用することは認められていません。このことから、アシュワガンダを摂取するためにはサプリメントを使用するのがもっとも良い方法だと言えます。

日本国内でアシュワガンダが主成分のサプリメントは販売されていないため、購入する場合は海外から輸入する方法を取るのが一般的です。

アシュワガンダをどのくらいとるのがよいの?

アシュワガンダの摂取量について、とくに目安とされる量は定められていません。しかし、一日300mgの摂取でストレスをやわらげる効果が認められていることから、一日あたり300mgを目安にするとよいでしょう。

なお、大量に摂取すると胃のむかつきや下痢、嘔吐を生じることがあります。サプリメントごとに一日の推奨摂取量が決められているので、こちらを目安に摂取するようにしてください。[i]

アシュワガンダの歴史は?

アシュワガンダは4,000年以上も前から使われてきたハーブです。アーユルヴェーダや中国医学で注目されており、アダプトゲンとして長いこと人々に活用されています。スーパーハーブとも呼ばれているアシュワガンダは滋養強壮効果に優れており、体の抵抗力を上げる働きがあることが特徴です。

1940年代の研究では、ストレスに対する抵抗性を上げる効果があることもすでにわかっています。その後も、アシュワガンダがもつ効果を調べるさまざまな研究が行われてきました。

現在はアシュワガンダを手軽に摂取できるよう、サプリメントも販売されています。アーユルヴェーダは歴史ある伝統医学の一つです。アシュワガンダは今もなお代表的なハーブとして幅広い方たちに使用されています。

アシュワガンダの論文一覧

Naturopathic care for anxiety: a randomized controlled trial ISRCTN78958974

Effect of ashwagandha on lipid peroxidation in stress-induced animals

[3]Ashwagandha

[4]Studies on immunomodulatory activity of Withania somnifera (Ashwagandha) extracts in experimental immune inflammation

<[5]a href="https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8866726/" target="_blank" rel="noopener">Studies on the immunomodulatory effects of Ashwagandha

[6]Withania somnifera (Indian ginseng) in diabetes mellitus: A systematic review and meta-analysis of scientific evidence from experimental research to clinical application

アシュワガンダの参考文献

[i]健康食品・サプリメント[成分]のすべて2017

[ii]アシュワガンダとは?使用する場合に気をつけることはあるか?(一般) 公益社団法人 福岡県薬剤師会 |質疑応答

まとめ

アシュワガンダは、アーユルヴェーダでも注目されているハーブの一種です。滋養強壮効果があることでよく知られています。ストレスをやわらげたり体力を増強したり、免疫機能を高めたりする効果も代表的です。アシュワガンダの摂取量について、とくに目安となる量は定められていません。サプリメントごとに目安量が決まっているので、そちらを守って使用しましょう。

記事監修者画像

記事の監修岡本妃香里
2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。2018年に退職し、現在は医療ライターとして医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。

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