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ルテインとは?

2024年01月05日 2024年02月26日

  • アンチエイジング

「ルテインが目に良いって聞いたけど本当?」

「ルテインは毎日どれくらいとればいいの?」

ルテインが目に良いということは知っていても、具体的にどのような効果があるのかまでご存知の方は少ないのではないでしょうか。どれくらい摂取したらよいのか分からず困っている方もいるでしょう。

そこで今回は、ルテインがもつ効果や摂取量などについて詳しく解説します。ルテインを摂取して、健康的な生活を目指しましょう。

ルテインとは?

ルテインとは、抗酸化作用をもつカロテノイドの一種です[i]。カロテノイドは動植物がもつ色素の総称で、現在判明しているものだけでも600種類以上あります。カロテノイドの特徴は、強い抗酸化作用をもっていることです。ルテインも例外ではありません。

また、ルテインはファイトケミカルの一種としても知られています。ファイトケミカルとは、生命を維持するために必須の栄養素ではないものの、病気の予防に効果があると知られている栄養素のことです。おもに眼病予防に効果があるとされています。

ルテインは食品からとることもできますが、マリーゴールドなどの黄色の花弁に多く含まれている成分です。強い抗酸化作用によって目の老化を引き起こす活性酸素の働きを抑えたり、スマートフォンやパソコンなどから目を守ったりします。

ルテインが目に良いと言われているのは、ルテインが目の網膜に多く含まれているためです。体内に存在するルテインの量は食事からの摂取量に依存しています。

ルテインは体内で合成できないのもあり、摂取量が少なくなると網膜のルテインも減ってしまうので注意してください。食事から十分な量のルテインを摂取できない場合もあるため、サプリメントをうまく活用して摂取していくとよいでしょう。[i]

ルテインの効果・効能は?

ルテインには、次のような効果・効能があります。

加齢性黄斑変性のリスク低下

加齢性黄斑変性とは、老化に伴って網膜の中心が出血したりむくんだりして視力低下を起こす病気のことです。ルテインを摂取することで、加齢性黄斑変性のリスクが下がる可能性があります。

オーストラリア人を対象に行われた試験では、ルテインとゼアキサンチンの摂取量が多い方では少ない方に比べて血管新生型の加齢黄斑変性が65%減少したことが示されました。

ただし、ルテインと加齢黄斑変性には関連性がないとする研究もあります。確実に加齢黄斑変性に効果があるとは言い切れない状況のため、これからのさらなる研究に期待がもたれています。[1][ii]

白内障発症の抑制

白内障とは、目の中にある水晶体が白く濁る病気のことです。加齢によって起こるもので、年齢を重ねると多くの方が発症します。水晶体が濁るため、視界がぼやけて見にくくなることが特徴です。

白内障の唯一の治療方法として手術が挙げられますが、ルテインが白内障の抑制に効果を発揮する可能性があります。水晶体が濁る原因の一つとして酸化ストレスがあるため、抗酸化作用をもつルテインには白内障に働きかける可能性があるのです。

実際にルテインを摂取してもらった研究では、摂取量が多い方は少ない方とくらべて白内障の発症率が50%低下することが分かっています。ただし、白内障に関してもルテインの有効性に関してはさらなる研究が必要な状況です。[ii][iii]

脳卒中のリスク減少

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳が障害を受ける病気のことを言います。ルテインを含む葉野菜を一日あたり100g摂取することで、脳卒中のリスクが25%減少することが研究により明らかになりました。このほか、心血管疾患や膀胱がんにも効果がある可能性があります。[3]

ブルーライトから目を守る

ブルーライトとは、スマートフォンやパソコンなどから発せられる短い波長をもった青い光のことです。太陽光や通常の照明などにも含まれています。角膜や水晶体では吸収されず網膜まで到達することから、目に負担をかけやすい光として有名です。

ルテインはブルーライトを吸収する働きがあるため、眼精疲労などから目を守ってくれる働きがあります。天然のサングラスとも呼ばれるルテインは、スマートフォンやパソコンを使う方が増えた現代社会で欠かせない成分と言えるでしょう。

肌を保護する

ルテインは肌の保護にも役立ちます。ルテインを経口で摂取することで紫外線によってできる脂質過酸化を抑制したり、光保護作用が見られたりしました。このことから、ルテインは紫外線による影響から肌を守ってくれることが分かります。また、ルテインを肌に塗布することで、肌の水分量や弾力が改善することも分かりました。[1]

肌を保護する

ルテインは肌の保護にも役立ちます。ルテインを経口で摂取することで紫外線によってできる脂質過酸化を抑制したり、光保護作用が見られたりしました。このことから、ルテインは紫外線による影響から肌を守ってくれることが分かります。また、ルテインを肌に塗布することで、肌の水分量や弾力が改善することも分かりました。[2]

ルテインを含む食材はどんなのがあるの?

ルテインは身近な食材から摂取することができます。果物や野菜に多く含まれているので、目の健康が気になる方はこれらの食材をとるように心がけましょう。

ルテインがとくに多く含まれているのが、ケールやモロヘイヤ、ヨモギです。ルテイン以外にビタミンやミネラルも豊富なため、健康に気を気づかっている方はぜひ積極的にとりたい食材です。

ただし、ケールはスーパーに並んでいないことも多く、また、独特の苦味があるため好みでない方もいるでしょう。そのため、毎日とるのには向いていないとも言えます。

無理なくルテインの摂取を続けたいのなら、手に入りやすく食べやすいほうれん草や小松菜がおすすめです。火を通すとかさが減るので、一度に多くの量をとることもできます。

上記の野菜や果物のほかに、次のような食材にもルテインが含まれています。

  • ブロッコリー
  • とうもろこし
  • オレンジペッパー
  • キウイフルーツ
  • ブドウ
  • オレンジジュース
  • ズッキーニ
  • スカッシュ

ルテインをどのくらいとるのがよいの?

ルテインは、一日6mg以上摂取するのが望ましいと言われています。目の病気を予防するために使用する場合は、10mg以上摂取とるようにしましょう。

ただし、食事から必要な量のルテインを毎日とるのは人によって難しいこともあります。その場合は、サプリメントを活用するのがおすすめです。

ルテインは、ほとんどの方が安全に摂取できます。妊娠中や授乳中の方でも食品に含まれている範囲内の摂取であればほとんど問題ありません。現在のところ、一日あたり6.9~11.7mgの範囲内でルテインを摂取するのであれば、ほとんどの方にとって安全だと考えられています。

摂取したルテインの効果を高めるためには、脂質と一緒にとるのがおすすめです。ルテインは脂溶性のため、脂質と同時にとることで成分が溶けて吸収されやすくなると考えられています。[ii]

ルテインの歴史は?

1782年に、網膜の黄斑部に黄色い色素が存在することが発見されました。この黄色い色素がルテインです。1866年には、黄色い色素が目に良いことが発見され、さらなる研究が進められました。その後、2007年には4,000人以上を対象とした6年間にわたる大規模な研究が行われています。

この研究により、ルテインとゼアキサンチンを摂取することで、加齢黄斑変性や白内障のリスクが下がることが分かりました。現在もルテインの効果に関しては議論の余地がある部分も多いため、研究が進められています。

ルテインの論文一覧

[1]Lutein Supplementation for Eye Diseases

[2]Beneficial long-term effects of combined oral/topical antioxidant treatment with the carotenoids lutein and zeaxanthin on human skin: a double-blind, placebo-controlled study

[3]Green leafy vegetable and lutein intake and multiple health outcomes

ルテインの参考文献

[i]カロテノイド | e-ヘルスネット(厚生労働省)

[ii]健康食品・サプリメント[成分]のすべて2017

[iii]白内障 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

まとめ

ルテインは抗酸化作用をもつ成分です。研究により、加齢性黄斑変性や白内障のリスクを低下させる可能性があることが分かっています。ブルーライトを吸収する効果もあることから、スマートフォンやパソコンの使いすぎによる眼精疲労にも効果があると考えられています。

ルテインを多く含む食材としては、ケールやモロヘイヤ、ヨモギなどが代表的です。目の病気を予防したい場合は、一日あたり10mgのルテインを目安に摂取しましょう。手軽にルテインを摂取したい方はサプリメントを活用すると便利です。

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記事の監修岡本妃香里
2014年に薬学部薬学科を卒業し、薬剤師の資格を取得。大手ドラッグストアに就職し、調剤やOTC販売を経験する。2018年に退職し、現在は医療ライターとして医薬品や化粧品、健康食品など健康と美に関する正しい情報を発信中。

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